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ビジネスコーチングとは何か? こんな例え話でご説明しましょう。
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ビジネスコーチングとは何か? こんな例え話でご説明しましょう。

[更新: 2017年01月19日 / カテゴリ: ビジネス・コーチング]

「おりに入った象」

今回はこんなお話からスタートさせて下さい。

「昔あるところで、象が飼われていました。周りに迷惑がかからないように、飼い主はおりの中に象を入れ、鍵をかけ、閉じ込めたのです。最初、象は外に出たがりました。象は鉄格子を曲げようとしたり、鍵をこじ開けようとしたりしましたが、だめでした。しばらくしてあきらめた象は、そのままじっとするしかありませんでした。数週間ほど水と餌をあげ続けた後、ある日飼い主は鍵を開けました。おりの扉は、開いています。象は喜んでたちまち外に出るのかと思っていると、意外な行動を取ります。扉が開いているにもかかわらず、象は外に出ないのです。それどころか、外に出るのを嫌がるようになりました。おりの中の生活にすっかり慣れてしまい、外に出るのが怖くなってしまったのです。」

皆さんはこの話を聞いてどう思われたでしょうか?

人間は、慣れる生き物です。

人間は、慣れる生き物です。うまく行った成功体験や自分なりのやり方が確立してしまうと、「このままでいい」という固定観念に囚われてしまうのです。固定観念に染まった人は、その時点で組織や自分が持っている価値観や考え方に対して揺るぎのない確信を抱く一方で、それとは違うものを知らず知らずのうちに排除したり忌避したりするようになります。

あるいは、自分が既に身につけた知識や技術に束縛されてしまい、新たなものの見方を獲得することや、仕事のやり方を変えることを億劫に感じるようになっていきます。その結果、成功体験と果てしない定型業務の繰り返しによる惰性化の中で、「ものの見方」が固定化し、ステレオタイプ化していきます。我々の目は、日常生活を送る中でどんどん曇っていきます。ビジネスの常識、組織の常識、職場の常識、その他様々な常識にどんどん染まっていき、やがてその背後にあるものを見ることが出来なくなります。

ですから、新しいものの見方を獲得し、大げさに言えばリーダーであるあなたが『新しい世界と主体的に関わり続ける』ためには、普段慣れ親しんだ『アタリマエ』を離れ、固定化した慣性軌道から抜け出す必要があるのです。リーダーにとって一番重要なことは、自らその惰性化した慣性軌道から抜け出して、自分の「ものの見方」を常に新しくすることです。

「対話」の重要性

では、自分の「ものの見方」を常に新しくするためには何が必要なのでしょうか?それは「対話」です。人間は自分の考えを外側に出さない限り、自分自身の考えはわからないように作られています。「対話」は、自分の考えをいったん自分の外側に出すために非常に有効な手段なのです。その「対話」で目指されるべきは、自分の内部にある、もはや自明化された自分の考えに『メス』を入れることであり、同時に自分がおかれている環境の変化に気付くことです。

自分の立場や自分の活動を成立させている社会的背景・政治的背景・経済的背景や、自分が囚われている古い考え方、さらにはもはや通用しない知識を捨て去ることです。わかりやすく言えば、自分にとっての『アタリマエ』を疑い、その背後にあるものや自分に何が足りないのか?に気付くこと、それが「対話」の生み出す本当の効果です。

「VUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】な時代の中では、リーダーが、慣性軌道のまま『アタリマエ』の中に安住することは、自らを不幸にするだけではなく、チームを、組織を、そして会社全体を不幸にすると言っても過言ではありません。

正しい「対話」のために

以前こちらにも書きましたが、良質な問いかけと正しい対話のために、コーチ側が非常に重要な役割を果たします。日本では、人生そのものを扱うコーチングが一般的なコーチングとして普及しています。ビジネスコーチングは一般的なコーチングとは違います。あるいは、コーチが一方的に自分の経験に照らし合わせて語りかけるものをコーチングと呼んでいるケースもありますが、それはメンタリングであってコーチングとは異なります。ビジネスコーチングでは、ビジネスに対する深い経験と最新の知識、さらにそこから来る将来への洞察の有無が大きな決め手になります。ビジネスコーチの質と言っても良いと思います。こちらにもあるとおり、「既知×既知」から「未知×未知へ」のシフトが必要なのです。

ビジネスコーチングとは、リーダーの中にある自明化された考えに『メス』を入れ、自分がおかれている環境の変化に気付くことです。実は、おりの鍵は、とっくに外れているのではないでしょうか?
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