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仕事にフワッとした話はNGなのか?~あなたはリーダーとしてイノベーションの芽を摘んでいませんか?

仕事にフワッとした話はNGなのか?~あなたはリーダーとしてイノベーションの芽を摘んでいませんか?

[更新: 2019年11月22日 / カテゴリ: リーダーシップ・コーチング]

「で、結局落とし所はどこなの?」

「で、結局落とし所はどこなの?」
「それって、前例はあるの?」
「何故それがうまくいくと言えるかがわからないな」

もし皆さんの会社や職場でこう言う表現が頻繁に飛び交っているとすると、実はそれは決して健全な状況とは言えないと思います。

人間は(一部の人を除いて)基本的にはリスクを回避しようとする生き物です。これは、我々の祖先がサバンナに住んでいた頃、天敵に常に狙われていたことの生理的な反応の名残だと言っても良いでしょう。
時は下り、現代においても我々は抽象度が高く具体的ではないものに一種の本能的な恐れを抱きます。そしてそれは職場においても起こっていることであり、我々は先行きが不確実な状況を「悪者」として糾弾することが頻繁にあります。

「それってなんかフワフワしたロジックですっきりしないんだよね」
「なんだかフワッとしててすみません」

実はこうした言い方がされるのは、日本だけではありません。英語圏でもこうしたことを=Fluffyなどと表現し、あまり良い発言だとは思われません。

「フワフワ恐怖症候群」

誤解を恐れずに言うと、日本企業においてはこのフワフワを恐れるがあまり、それが組織を蝕む病となってしまっていることすらあります。つまり、組織として不確実性を極度に恐れすぎる「フワフワ恐怖症候群」です。このフワフワ恐怖症候群は、日本が高度成長期に大量生産競争で欧米に追いつけ追い越せで汗を流していた時代においては、非常に有用だったと言えるでしょう。その当時、製造業でやらなければいけなかったことは、このような不確実性といえるような「振れ幅」をできるだけ小さくし、地道に品質を上げるということでした。言うまでもなく、これに関して日本は見事に世界一になったと言えます。

フワフワ恐怖症候群が柔軟な発想やアプローチを妨げている

しかし、実は今、このフワフワ恐怖症候群が大きな問題になっているのです。抽象度の高いアイデアからイノベーションは生まれます。つまり、イノベーションに取り組んでいくと言うことは、すなわち、曖味さや不確実性つまりは「フワフワしたもの」と意図的に向き合っていくことに他なりません。そしてこれは、私たちが数十年ほど正しいと思ってきた仕事の基本動作とはかなり異なります。

VUCAの時代におけるPDCAの呪縛

変化の度合いが穏やかで、すべての状況がわかっている環境においてはマネジメントはオペレーションの精度を追求し、エラーを排除するべきです。別の言い方をすれば、PDCAさえしっかり回せば良いわけです。しかし、VUCA時代のリーダーシップの発揮とは創造的曖味さを許容していくことでもあります。想定していた環境が激変しているにもかかわらず、はじめに決めたPDCAをそのまま押し通そうとして悲劇を招いている会社や組織が未だに多いのが実情です。

端的に言うと、マネージメントの側面ではPDCAを回しながら、リーダーとしての側面ではVUCAの環境変化の中で「不確実性を楽しむ」つまり「自分たちの手で創造することができるかもしれない可能性を楽しむ」という二面性を持つことです。

あなたはリーダーとしてフワフワしたものを糾弾しますか?あるいは?

そうなるためには、実は経験が非常に大きく影響します。不確実で落とし所が見えない状況に初めて直面した人は、硬直するか苛立ちを示してしまうものです。しかし、度々そのような状況に面し、それを乗り越えてきた人には、そこを突破できる自信と、その創造する行為を楽しむ余裕が生まれます。そして、そのような感覚が文化として共有されている企業で働く人は、とても楽しそうに見えます。自分たちで創り出すことのできる可能性を楽しんでいるからです。あなたはリーダー、マネージャーとして 「不確実な状況を楽しむ」「曖昧である事を楽しむ」ことができているでしょうか?

あなたの会社、組織、職場はフワフワ恐怖症候群にかかっていませんかそして、それを変えることが出来るのは、リーダーであるあなたしかいないのです。

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