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リーダーがメンバーを【観察】することの重要性 ~働き方改革から見た重要なリーダーシップスキルとは
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リーダーがメンバーを【観察】することの重要性 ~働き方改革から見た重要なリーダーシップスキルとは

[更新: 2017年04月12日 / カテゴリ: リーダーシップスキル]

在宅勤務制度に対する現場マネージャーの抵抗

「在宅勤務は絶対に認められない。上司の目が届かない状態では、社員はちゃんと働かない。」

働き方改革が錦の御旗となっている今、企業では、勤務形態を見直す動きが盛んです。しかし、冒頭のようなコメントが現場から一斉に噴き出して、施策が減速している企業がたくさんあるようです。しかし、私が存じ上げる大手企業の人事の方は、現場のマネージャーからの抵抗にこんな議論で返しているようです。

「部下が在宅で仕事をしていたのでは、その仕事っぷりを見られないと言うけれども、 部下が隣に座って働いていれば、あなたはちゃんとその部下を見ているのでしょうか?本当に部下のことを観察できているのでしょうか?あなたにとって『目が届く』とは何で、そもそも何に対して『目が届く』のでしょうか?そして何のために物理的に『目が届く』ことが必要なのでしょうか?」

さて、皆さんは、この議論、どうお考えになりますか?

リーダーの大切なスキルの一つは観察すること

WorldArxは、一番大切なことは、メンバーをきちんと『観察』できているかどうかであって、この議論を本当に突き詰めていくと、在宅勤務を認めない理由はほとんどなくなると考えています。
リーダーの『観察』するスキルをここで改めて定義してみましょう。それは、部下を漠然と日常の態度を漠然と時間軸の観点だけで眺めたり監視したりするのではなく、その人の仕事のプロセスと成果の品質をきちんと、じっくり、よく見ることだと定義したいと思います。 チームリーダーにとって観察とは、決して手を抜いてはならない大切な仕事であり、今の世の中のリーダーシップスキルの中でも最も重要なスキルだと言えると思います。繰り返しますが、物理的に監視をすることではありません。

では、働き方改革の中で、何故この観察スキルが重要なのでしょうか?

ワークライフバランスと『観察』スキルの関係

ワークライフバランスの根底にある問題も、ほぼ同じだと考えています。育児のために時短勤務している人は、早く帰るために必死です。一分一秒に一生懸命に集中して、誰よりも高い生産性で働いている方がたくさんいらっしゃいます。そういう方達と比べれば、大変失礼ながら、フルタイムで働いていても、1時間に一度たばこ休憩に行ったり、昼食の時間が極端に長い人達の方がよっぽど生産性が低いかも知れないという見方があります。しかし、リーダーがきちんとメンバーを『観察』できていれば、時短勤務であろうが、フルタイムであろうが、それぞれの働きぶりと成果に合わせて評価を行い、それに見合った報酬を支払えば良いわけであり、本来ワークライフバランスというのは会社にいる時間と会社以外にいる時間の長さの議論ではないはずです。

働く側における隠れた不公平感

グローバル化する組織の中では、労働時間や工数の多寡にかかわらず、合意した結果・成果を出すことが一義的に求められます。そもそも成果主義は、拘束時間の長さに対する評価から、パフォーマンスの評価へと言う、根底的なパラダイムシフトであったはずなのですが、現実問題として、日本では制度的かつ社会通念的に『労働時間の長さ』で評価する部分を完全に除去し切れていないことが、冒頭の現場マネージャーの言葉につながっているのではないでしょうか。本来、成果主義はそういう仕組みであり、労働時間で給与が決まるわけではないのにもかかわらず、労働時間が短くならないのは「自分が損をするかも知れない」という感情が社員の中から消し去れないからなのではないでしょうか。

現に、労働時間短縮のための最大の施策は、残業代を賃金に組み込むことだという議論が活発に行われているという現実があります。先程のワークライフバランスの例で言えば、時短勤務の人達はたいして働いていない=(労働時間としては短い)のに、早く帰っている。それなのに、給与は自分たちとそれほど変わらないのは不公平だという気持ちのやり場の問題だと言えます。こう言った考え方が変わらないことで、職場のモチベーションが下がり、結果として生産性にも大きな影響を与えているというのは、いささか偏屈でうがった見方でしょうか?これも、リーダーが正しく『観察』スキルを身に付け、その人の仕事のプロセスと成果の品質をきちんと、じっくり、よく見ることが解決の糸口につながるような気がしてなりません。

どのような変化が起きようとしているのか?

このブログでいつも書いていることですが、キャリア=ライフキャリアであり、これからは一人一人の人生のあり方がますます多様性に満ちたものになります。先程はワーキングマザーの例でしたが、今後は育児のみならず、介護の問題もより身近な問題になってくることは間違いありません。従来の、均質性・均等性を中心に考え、運用されてきた制度は、育児や介護の問題がより顕在化することにより、3年もしないうちに大きな転換点を迎えることになるでしょう。これからの働き方の多様化と、労働力不足の中で、働く側が企業を選ぶ時代が目の前にやってきていると考えます。労働力がより少なくなる中で、社員一人一人が抱える、様々な個別の事情を考慮した多様な働き方を認めざるをえなくなり、その結果として、一人一人を個別にきちんと観察し、評価を行い、報酬や待遇を決めて行くというプロセスに転換せざるを得なくなることは、時代の流れを見たときにある種の必然と言えるかも知れません。つまり、多様な働き方を認め、生産性を上げ、労働時間を人それぞれの働き方にあったものに変えていくためには、人事評価の仕組みにもう一度踏み込み、 評価の基準を公正に決めるべく見直し、それと同時に、評価そのものも個別に行う必然性に発展しているのが現状ではないでしょうか。
企業が大きな働き方改革をなし遂げようとしている中で、リーダーの持つべき正しい『観察』スキルが改めて重要な位置づけになってきているとWorldArxは考えています。
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