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新しい働き方の模索を邪魔する『●●症候群』~変化の激しい時代に求められるキャリア自律の能力とは(1)
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新しい働き方の模索を邪魔する『●●症候群』~変化の激しい時代に求められるキャリア自律の能力とは(1)

[更新: 2017年06月22日 / カテゴリ: キャリア自律]
働き方改革が声高に叫ばれ、そしてVUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】 が日々加速するこの時代の中で、自分の働き方をより強くたくましくするためのキャリア自律の必要性は今までに無い重要性を帯びてきています。しかし、一方で新しい働き方を考え、その為のキャリア自律のあり方を模索する際に、それを妨げるような風潮が垣間見られるのも事実です。いくつか例を挙げながら見ていきましょう。

『役に立つことだけ追求』症候群

これは、『極力無駄なことはしたくない。時間もエネルギーもかけたくない』 と考える風潮です。それにメリットや利点、利益などがあるかどうか?に重点を置きすぎる考え方です。一つの例ですが、最近、「この勉強って何の役に立つの?」子供が発するそういう問いに大人が必死に答えようとしたり、あるいはそれに答えられない大人が必要以上にあたふたし慌てる場面をよく見かけるようになりました。しかし、「何に役に立つのか?」よりも大切なことは、「勉強することそのものの面白さ」 を伝えることなのではないでしょうか?企業においては、突然異動を命じられたり、あるいは事業売却や合併などや、あるいは産休からの復職後にやむを得ず自分の意図しなかった職務に就かなくてはならないケースが増えています。そういう方々からご相談をいただくことがありますが、皆さん判で押したように「今回のこの仕事って何に役に立つのか、よくわからないんです…」という言葉です。しかし、そもそも『役に立つ』とは何を持って『役に立つ』とするのでしょうか?そして、多様性に溢れる今の世の中で、100人いたら100通りの『役に立つ』があるはずです。多様性という観点から見ても、不思議なことだらけです。そして、それが役に立つのかどうかは、果たしてやる前から検索エンジンで答えを探すように簡単にわかることなのでしょうか?

『目的中毒本末転倒』症候群

これは目的に近づくためなら手段を選ばずないという風潮です。一つの極端な例ですが、最近、大学では未経験者のスポーツ部への入部希望者が非常に増えています。一方で、非常に厳しい練習が続くことで怪我やうつになるケースも増えています。そういった人達の入部理由をよくよく聞いてみると、「大企業へ入社するための就職活動の面接の時に、体育会系に所属していたと答えたい」 という理由なのです。その為に、入部して厳しい練習にも耐えている、と。一体何のためのスポーツ部なのでしょうか?そして、このVUCA がますます加速する世の中で、大企業の採用面接が真の目的足りうるのでしょうか?

『夢・目標設定強迫観念』症候群

本屋に行けば、成功談の本が書棚に所狭しと満ちあふれています。トップアスリートやアントレプレナー、あるいはタレントや有名経営者が『夢、目標、志というキーワードさえあれば、不可能は可能になるのだ。それさえあれば、私のように成功できる。そして、そういった目標や夢や期限を明確にし、手帳に書き込むことがすべてのスタートだ』 と非常に強い一種の脅しのような切迫感満載のメッセージで語りかけてきます。あたかも、夢や目標がない生き方には意味が無いとでも言わんばかりです。VUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】 が毎日加速するこの時代の中で、夢や目標を固定化する方がリスクが高いはずです。夢や目標を持つことは否定しません。しかし、それに縛られすぎるリスクも同時に考えるべきです。ましてや、夢や目標に良い意味で拘泥しない人達に不要な危機感を植え付け、煽ることを良しとする風潮に大きな違和感を覚えます。

残念ながら世の中は理不尽で不条理に満ちています。今日役に立つことが来年も役に立つとは限りません。目的を達成するために手段を選ばず必死で目標にたどり着いても、翌年にその目標が目標でありつづける保証もどこにもありません。そして、えてして『一見してわかりやすい目標』は真の目標ではないことが多いのです。さらに、自分が立てた計画が思うとおりに行くこともあまり無いのです。検索エンジンで探せる答えと、そうでないものがあるのです。
では、正解もなく変化の激しい中で、より強い Resilient=『より強くたくましい』キャリアを切り拓くために、何をどう考えて、何を実行していけば良いのでしょうか?稿を改めて考えてみたいと思います。
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