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あなたの『しっかりやりましょう!』はグローバルの現場を混乱に陥れている?
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あなたの『しっかりやりましょう!』はグローバルの現場を混乱に陥れている?

[更新: 2018年03月01日 / カテゴリ: グローバル組織開発]
あくまで私の経験に基づく印象ですが、日本ではどちらかというと、「この仕事をしっかりとやりましょう」という指示とともに、全体像を示すことなく、一部のパートを任されることが多いのではないでしょうか。そして、その割り当てられたところを(時として必要以上に)きれいにそして丁寧にこなせば、周囲から認められ賞賛されます。つまり、日本の仕事文化には、与えられた指示を粛々とこなすことを是とする文化が根付いています。『しっかりやりましょう』と言われたら、それが何を意味するのか、自発的に考え、察する。それが出来ない人は仕事が出来ないという烙印を押される。つまり、細かいところまで空気を読むことを是としているのです。

しかし、こういった日本的な仕事の指示の出し方や取り組み方をグローバルな仕事環境に持ち込むことは、大きな摩擦と混乱を生む原因となります。なぜなのか、その原因を見ていきましょう。

一つの原因は、「この仕事をしっかりとやりましょう」というメッセージは、最終的な成果のイメージ="Big Picture"を曖昧にしたまま、チームに指示を出しているという点です。

日本の高度成長期のような変化の少ないビジネス環境においては、あうんの呼吸で 「この仕事をしっかりとやりましょう」というHigh Contextな指示のもとで粛々とやっていれば良かったのです。そして、そういった取り組み方が賞賛される結果、一人一人が仕事の全体像やあるいは、先回りして次のことを考える動機に欠け、その結果として、自分の仕事が全体像の中でどんな意味を持っているのかを理解しようとする人が比較的少ないという状況を招いています。これは、結果的には Big Pictureを描ける人が少なくなっていることの一つの要因になっているのではないでしょうか。

一方で、グローバルにおいてはまずは全体像ありき、つまり、Big Picture first.という視点が重要視されます。それは、全体の大まかな成果のイメージについて話し合い、明確な責任分担とKPIを合意し、Big Pictureの有り様を常に意識しながら、その合意した分担に基づいて実行し、軌道修正するというアプローチです。このBig Pictureを提示することなく、「日本同様、『しっかり』の意味ぐらいそれぐらい自分で考えて決めてくれるだろう」と考えて「この仕事をしっかりとやりましょう」と指示を出すことは、「自分の責任範囲は何か?」「自分はどのように評価されるのか?」「期限や優先順位はどうなっているのか?」とグローバルな現場を混乱と機能不全に陥れることになるのです。

摩擦や混乱の二つ目の原因は、純粋にコミュニケーションのありようそのものに起因するものです。実は、グローバルな環境ではこの「この仕事をしっかりとやりましょう」という指示や表現は非常に奇異に映るのです。日本語の「この仕事をしっかりとやりましょう」=「全員で全力を尽くしましょう」を訳して、「Let's do our best!!」と檄を飛ばす日本人マネージャーやプロジェクトリーダーの方をお見受けします。しかし、これはグローバルな環境では非常に違和感を持って受け止められてしまうのです。なぜならば、グローバルにおける「do one's best」という表現は「最善を尽くす」という意味ではなく、「確約は出来ないが、やれるだけやってみよう」という含意を持つからなのです。果たして、そんな表現をするリーダーの下で働きたい、結果を出したいと思う人がいるでしょうか?

Global Player2.0ワークショップでは、こういったポイントも取り上げ、日本の組織と人が、グローバルな環境でより活躍できることを支援しています。是非こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。
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