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日本人が知らない、グローバルな組織が成果を出すために必要な「正しいフィードバックのやり方」とは?

日本人が知らない、グローバルな組織が成果を出すために必要な「正しいフィードバックのやり方」とは?

[更新: 2017年01月26日 / カテゴリ: グローバル組織開発]

日本では「正しいフィードバック」が行われていない

皆さんの組織では、正しいフィードバックのやり方がきちんと理解され、定着しているでしょうか?
ここで言うフィードバックとは、「相手にとって、良い点、そして例え耳の痛い内容であったとしても、きちんと伝え、本人や組織がそれを活かすための次のアクションの材料とすること」です。残念なことに、日本の組織では、フィードバックが正しく理解され、運用されているケースはまだあまり見ることができません。

もはや「日本人はフィードバックが苦手」では済まされない

日本人は他人を非常によく観察するスキルを持っているのですが、一方でフィードバックを建設的に提供したり、あるいは冷静に受け止めることが非常に苦手だと言えます。人を傷つけたくない。波風を立てずに穏便に済ませたい。さらには、「あうんの呼吸」や、必要以上に空気を読みすぎる文化に良い面もあることは否定しません。しかし、人は、自分で気付かないことを他の人から指摘されてはじめて、自分の長所と改善点を知り、それをどうしていくかを考え始めることができるのです。しかし、企業のグローバル化による言語や文化の違い、更には同じ日本人同士であったとして、多様な価値観や世代観の違いなどにより、不要な誤解が蔓延しています。もちろん、相手の立場に配慮することも重要なことは言うまでもありませんが、組織が結果を出すために健全に運営され、そこで働く人達が成長するためには、「言いにくいことであっても、きちんと明示的に言葉にする」ということを重視するべきなのです。SNSで同じ価値観の集団の中で「いいね!」を押すことに慣れてしまうと、フィードバックする力は失われていきます。これからの組織では、同じ価値観の集団で働くわけにはいきません。むしろ企業が価値の源泉としようとするべきは多様な価値観(D&I=Diversity & Inclusion)であることは明らかです。価値観や考えの異なる相手だからこそ、自分の考えていることや見立てを正しく伝え、それが価値を生むような風土を作るべきなのです。

グローバルな環境という観点から見た「フィードバック」の重要性

この正しいフィードバックのやり方はグローバルな環境という観点からも非常に重要なポイントです。グローバルな環境では、フィードバックすることが暗黙の了解として求められているのです。それはリーダーからメンバーへのフィードバックのみならず、ミーティングやブレインストーミングなどビジネスコミュニケーションのあらゆる場面において、自分の意見を正しく伝え、場で話されている事柄に対してフィードバックを提供することが価値を提供することだと考えられているからです。これは、弊社が外資系企業にご提供している「外資系企業向けグローバル組織開発分析サービス」からも浮き彫りになっています。裏返せば、フィードバックをしない人は、価値を提供しないと見なされ、能力が低い人なのだと見なされてしまうということです。つまり、日本人が良かれと思って礼儀正しくおとなしく振る舞っていると、この人はフィードバックしないし、意見もないし、価値を提供できない人なのだな、と結果的に低い評価を得てしまうのです。「どうせ言っても通じないのだから、波風立てずに言わずにおこう」というのもNGです。

人事評価という観点から見た「フィードバック」の重要性

フィードバックの重要性は、人事評価という観点からももう一度クローズアップされています。GEやヒューレット・パッカードやGAPやマイクロソフトといった名だたるグローバル企業では社員にA・B・Cといったランキングを付ける形の年次評価を取りやめる動きが活発になってきています。個人のゴールを年に一度決めて、半年間に一回レビューミーティングをするという年次評価のサイクルでは、この「VUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】な時代の中では、アジャイルな働き方が求められ、従来の年次ゴールの設定のやり方ではビジネスのスピードに追従できないのです。また、個人の業績やゴールが必ずしも全体のビジネスに貢献できているとは限らないという状況が生まれつつあります。上記のランキングを付ける形の年次評価を取りやめる企業では、代わりに、日常的にリーダーとメンバーが『対話』の時間をこまめに取ることを重視し、それをリーダーの重要な役割として定義しています。その『対話』の中で、正しいフィードバックを提供し、メンバーに考えさせ、メンバー自らが次のアクションを取れるように支援することが重要になってきます。

フィードバックはタイミングも重要です。従来のような、半年に一回の評価面談の中でフィードバックしても、仕事のスピードに追従する形で次のアクションが立てられなくなってきています。上記に述べたようなより頻繁な「対話」のなかで、タイムリーに正しくフィードバックすることが、メンバーが自ら考え仕事環境の変化のスピードに対応する次のアクションを立てることが出来るようになります。

フィードバックは、シンプルですが、パワフルなツール

正しいフィードバックのやり方は組織力を高め、顧客ロイヤルティを上げ、さらに言えば、公正な評価を行うことにつながり、結果的に従業員エンゲージメントを高めることにつながっていきます。正しいフィードバックは、現場レベルでより強い組織を作り、成果を出すための非常に重要な仕組みなのです。

御社のリーダーシップチームでは、メンバーを正しく観察し、正しくフィードバックし、メンバー本人達の腑に落とさせ、次のアクションの材料とすることができているでしょうか? フィードバックは、シンプルですが、パワフルなツールです。しかし、シンプルというのは必ずしも簡単と言うことを意味しません。 Worldarxでは、フィードバックだけに特化したワークショップをご提供しています。現場向け、リーダーシップチーム向け、グローバル組織向けなど、お客さまの状況にあわせてカスタマイズが可能です。こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

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