今回は、コンサルティングを生業とされていらっしゃる方向けのお話しです。最近とあるコンサルタントの方からご相談を頂いたのですが、実は、独立系・大手コンサルティング会社を問わず、ファシリテーションが苦手というコンサルタントの方は意外と多いようです。私なりにコンサルティングという仕事を定義するならば、「クライアントに対して、専門知識を活用し、客観的に現状業務を観察して現象を認識、問題点を指摘し、原因を分析し、対策案を示して企業の発展を助ける業務を行う」というところでしょうか。この「対策案を示す」と言うところ、コンサルティングビジネスの価値そのものなのですが、お話を伺うと、実はその部分が最大のチャレンジだということだそうです。どれほど素晴らしい知見と専門知識を駆使して、問題点と原因を分析し、正しい対策案を提示しても、クライアントが行動を変えなくては成果にはつながりません。仮に、経営企画部門や人事部門と言ったクライアント側の担当部署の方々が納得したとしても、それが現場での納得性に結びつくとは限らない、と言うことだそうです。また、対策案を現場に浸透させるワークショップを実施するケースにおいて、どのようにワークショップを設計し、具体的にファシリテーションを行えば良いのか、手探りで行っていらっしゃるコンサルタントの方も非常に多いそうです。

私は、現在は自らがコンサルティング的なアプローチもご提供している立場ですが、企業においてコンサルティングを受ける側にいたこともあります（むしろその期間の方が長かったと言えます）ので、今回のご相談はなんとなく腑に落ちるところがありました。典型的なパターンですが、まず途中経過として、精緻で正確なデータに基づく分析結果（えてして、受け入れがたい欠点や改善点）が目の前に提示され、その次に最終段階としてその分析結果に基づく正しい結論・対策案が提示されます。クライアントとしてコンサルティングを依頼しておきながらなのですが、それが正しい分析と対策案であると頭ではわかっていても、正しい答が目の前に来るとその瞬間に人は考えるのを止めるのです。また、そういった形で正論が目の前に厳然とした形で提示されると、人はたいていの場合、拒否反応や抵抗を示します。どんなに良い対策案であったとしても、実践する側であるクライアント側に納得感が欠け、心理的抵抗があっては実践されません。

私は、このご相談をうかがっていて、これはワークショップやトレーニングにおける行動変容の話と大いに共通点があると考えました。
つまり、適切な「大人の学び」のプロセスを経てステークホルダーの納得性を高め、最終的には行動変容を起こすというプロセスは、コンサルティングの最終段階に非常に親和性が高い、と言う点です。
そこでは、ファシリテーションスキルが重要になってきますし、実際その方のご相談内容も、ファシリテーションスキルに関する内容でした。そこで、WorldArxとして下記のような内容でコーチングサービスをご提供させていただきました。

・具体的な状況、困っている点のヒアリング
・Instruction Design法に基づいた、分析・対策案を提示する際のワークショップの設計
・ファシリテーター的考え方・心構え
・ファシリテーション実践における具体的なアドバイス
・ロールプレイ
・参考書籍のご紹介
・ディスカッションを行う際のTips共有

そのコンサルタントの方は、非常に大きな気付きを得て、コンサルティングの最終段階をクライアントの行動変容に結びつける自信が持てたということです。

WorldArxの願いは、「日本の組織と人がグローバルな舞台で真価を発揮し、誇りを持ち、日本らしく世界をリードし輝いている」ことです。コンサルタントの皆様が提示する正しい結論・対策案を、クライアント企業が実践し、行動を変えて行って欲しい。そのお手伝いが少しでも出来ればと思っています。

「解決策の提示のフェーズで、いつもクライアントの温度感に差が出来てしまう」
「解決案としてアクションプランを作っても、クライアントが実践しない」
「正しい『べき論』を提示しても、クライアントの行動が変わらないという結果にはやりがいを感じられなくなった」

こういったことでお悩みのコンサルタントの皆様をサポートさせていただければと思います。専門知識と深い知見をお持ちのコンサルタントの方がファシリテーションスキルを身に付ければ、鬼に金棒です。
なお、本件に限っては、企業向けのみならず、同様のお悩みをお持ちの個人向けの個別コンサルティングも承ります。ご相談の内容によって、ご提供するサービスメニューもカスタマイズしてご提供いたします。こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。