Menu
Blog
少数精鋭の選抜幹部候補生向けタレントマネジメントは終わったのか?~「全員戦力化」の時代へ
Category : 全カテゴリ

少数精鋭の選抜幹部候補生向けタレントマネジメントは終わったのか?~「全員戦力化」の時代へ

[更新: 2017年09月14日 / カテゴリ: キャリア自律]

タレントマネジメントの終焉

過去15年~10年ぐらい、欧米でもてはやされた、少数精鋭の選抜層・優秀層の幹部候補生に焦点を当てた、人材マネジメントが重視されてきました。いわゆる「タレントマネジメント」です。日本に本社を置く企業でも、欧米型のタレントマネジメントを導入している企業が増えているようです。しかし、WorldArxは、少数精鋭の選抜層・優秀層の幹部候補生に重点的に投資を行うタレントマネジメントは否応なくその形を見直すことになるだろうと考えています。その理由を見ていきましょう。

人手不足倒産?人材確保が企業経営の大きな課題

厚生労働省が2017年5月30日に発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍と、前月に比べて0.03ポイント上昇し、また、完全失業率(同)は3.1%と低水準となっています。これらのデータから明らかなように、企業の人手不足は一段と拍車がかかっています。
また、2017年4月の労働力調査では「正規の職員・従業員数」は3400万人で、前年同月比14万人、率にして0.4%増加。正規雇用の伸びは29カ月連続上昇し、正規雇用化によって人材を確保しようとする動きも明確になってきています。つまり、人口の減少の中でどうやって労働力を確保するか?という点がかなり喫緊の経営課題になってきているということです。黒字倒産という言葉がありますが、人材不足倒産という話も笑い話ではすまなくなる状況が見えてきています。

有限の資源である人材の持続可能性(サステナビリティ)はこれから経営にとって喫緊の課題

一時期、環境サステナビリティ(持続可能性)というキーワードが経営課題としてもてはやされました。地球上の資源は有限であり、その有限の資源をいかに有効活用するか。すなわちリサイクルや二酸化炭素排出規制といった環境負荷を軽減するという視点はいまや一般化して定着した感があります。そして、この人手不足の状況の中では人材についても同様の取り組みを行う必要があるのではないでしょうか。つまり、有限の資源である人材を維持し、最高のパフォーマンスを発揮してもらうという「人材サステナビリティ」はこれから喫緊の経営課題になっているのではないでしょうか。では、ここで具体的な2つの視点について見てみることにします。

脱正規分布の視点

従来の企業の人材施策のほとんどは、いわゆる2:6:2の正規分布の発想に基づいていたと言えます。しかし、人手不足の状況の中、もはや20%の優秀層を選抜して重点投資し、さらに中位以下のパフォーマンスの従業員をリストラして淘汰している余裕はないのです。

「人材のサステナビリティ」の発想においては、従来の正規分布をベースにした発想を転換する必要があります。この人で不足の状況の中では、今までの2:6:2の正規分布のパラダイムを変え、むしろすべての人に成長と貢献の余地があると考えるべきです。つまり、「脱2:6:2」です。現存する従業員をリテンションし、全員に成長してもらい、全員に貢献をしてもらうという視点です。いわば、「全員戦力化」がこれからの企業にとっての非常に重要な経営課題になりつつあるのではないでしょうか。

先述した、多くの企業がタレントマネジメントを見直すことになるだろうと予測する理由はここにあります。

本腰を入れたキャリア自律の視点

有限の資源である人材を維持し、最高のパフォーマンスを発揮してもらうという「人材サステナビリティ」の視点からは、もう一つ重要な点があります。現存する従業員をリテンションし、全員に成長してもらい、全員に貢献をしてもらうために重要な視点は、まさにキャリア自律なのです。一人一人が生き生きと働きがいを持ちながら働き、積極的に仕事を創り、創意工夫を持って取り組み、貢献する。それを実現するのがキャリア自律です。これまで、企業は従業員のキャリア自律については、残念ながら本気ではなかったのではないでしょうか。いわゆる優秀層キャリアに目覚めて会社を辞めてしまうリスクに怖じ気づき、その結果非常に中途半端な施策となってしまったり、あるいは、キャリア自律と銘打った肩叩き施策であったりするケースも散見されました。しかし、いまこそ、企業は従業員の真の自律性を尊重し、高めることが真の意味で重要であり、「人材サステナビリティ」につながるのだという視点を持つべきだと思います。

「人材サステナビリティ」を実現するために必要な人材開発施策

「人材サステナビリティ」を実現するために必要な人材開発の施策を改めてここであげておきましょう。

・人を育てるリーダーとしての意識、心構え、マインドセットの育成
・現場で、業務を回す中での育成方法(コーチング、フィードバック、振り返りによる内省)
・スキル習得における、行動定着化のプロセスとリーダーの役割
・従業員一人一人が居場所を感じ、やりがいを持って働けるためのキャ・リア自律施策

WorldArxは、「全員戦力化」を目指す企業を応援します。
Category : 全カテゴリ

Category

Latest Posts










Share on Myspace このエントリーをはてなブックマークに追加