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AI(人工知能)+ロボットはキャリア自律の夢を見るか?(2)~VUCAな世界における生涯習得
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AI(人工知能)+ロボットはキャリア自律の夢を見るか?(2)~VUCAな世界における生涯習得

[更新: 2016年11月11日 / カテゴリ: キャリア自律]

AI(人工知能)とロボットの自動化普及の波が人の働き方を未曾有の形で変えようとしている

前回 AI(人工知能)+ロボットはキャリア自律の夢を見るか?(1)~自動化普及の現状と働き方へのインパクトでは,AI(合成頭脳)とロボットの組み合わせによる自動化普及の波が,ホワイトカラー,ブルーカラーを問わず,専門性のあるなしにかかわらず,そしてあるいは,自営業の人や,果ては求職中の人までも,誰も彼もが仕事のやり方や求められる技術がものすごい勢いで変化せざるを得ないようなとんでもない状況を推し進めつつあるという流れをご紹介しました。明らかに言えることは,この流れは人の働き方を再び大きくしかも未曾有の形で変えようとしていると言うことだと思います。では,今回は働く人である我々はこれにどう対応するべきなのか?という点について論じてみましょう。

誰も逃れられない「パーフェクト・ストーム」

ニューヨークタイムズ紙が最近「パーフェクト・ストーム」という記事を掲載しました。その内容を要約すると,「自分を常に状況に適応させていくことが,多くの働く人々にとって不都合な真実となっている」という論旨です。この「適応の時代」という記事のテーマで,今多くの働く人達に必要とされているある用語が掲載されていた。それは「生涯習得」(シリアル・マスタリー)という言葉です。日本ではまだ普及していませんが,海外では,働く人達は,例えば教育訓練コースを受講して,新たなスキルを次々と身に付け,新しい職種に就くと言うことがそれほど珍しくはありません。しかし,そういったことを学んで身に付けても,次に来る問いは「VUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】 な時代の中で,自分の価値を高め,あるいは自分を陳腐化させないためにはどのようにすれば良いのか?」という悩みです。「苦労して新たなスキルを身に付けて,自分の分野で専門知識も得てきた。何年もかけて今の地位を築き上げたのに,何故また最初からやり直さなければならないのか?」

自らを常にアップデートしなくてはならない世界へ

残念ながら,この何故の問いは,いかにそれが正鵠を射て正しくても,あるいはそれが合理的な問いであったとしても,何の解決にもつながりません。世の中はVUCAな方向に不可逆変化する一方です。それはすでに起こってしまっていることなのです。我々に出来ることは,この今の新しい状況が私たち一人一人にとってどんな意味合いがあり,そして,具体的に何が出来るかを考えることしかありません。どんな機会が生み出されていて,そして,そういった機会や可能性を同最大限に利用すれば良いかを考えるしか道はないのです。日本人が大好きな,どのような脅威があるか?を議論しても何も生まれないのです。自らを次々にアップデートする世界を危機と捉えるか,チャンスと考えるか。自らを次々にアップデートする=キャリアの見直しと軌道修正は,個人レベルでのイノベーションであるとも言えます。企業が戦略を練るときに,きちんと市場調査や環境変化を考慮に入れるように,個人のキャリアプランにも市場調査や環境変化といった要素は必要不可欠です。旧来言われてきた,「Must(やらなくてはならない)」「Can(できる)」「Will(やりたい)」を自分だけの一人称の目線で考えているだけでは不十分なのです。

・自分が属している業界や分野はどのような変化の中にあるのか?
・そして,その変化はここ数年の間に,具体的な現象としてどのように表出してくるか
・自分が今持っているスキルのうちで,新しい環境で最も役に立ちそうで,使えそうなものは何か?逆に,獲得しなければならないスキルは何か?
・自分の得意分野を広げるべきか,それとも絞るべきか。あるいは今までの経験と実績を活かしてまったく新しい分野に飛び込むべきか?
・自らの仕事を「探す」のか「創り出す」のか?

そしてさらに重要な点は,こう言った問いかけを一回やって終わりという一時しのぎのやり過ごしではなく,一歩ずつ前進しながら,常に問いかけ続け,さらに状況に臨機応変に変化していくこと。そして,このプロセスそのものを習慣化することです。

新たなキャリア自律の模索へ

世の中は常に激しく変化し,どんどん複雑になっています。今日のビジネス市場においては、VUCA【Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】の度合いが増し、それらの要素がますます加速しています。大人になってから年金がもらえるまで『逃げ切る』ことを目標として同じ事を繰り返すという働き方はもはや現実的ではありません。出来ること・知っていることの大半が常に更新と変更を求められ,あるいはまったく役に立たなくなってしまうことを前提としたキャリア自律が必要なのです。これはもちろん,働く側だけではなく,企業側とそこで働く個人の双方が知恵を絞りながら努力していくべき分野でしょう。さらに言うなら,政府など公的機関の関与も不可欠だと思います。現に,公的機関と政府が個人を支援する,いわば住宅ローンの職業版とも言える,AI/ロボット時代の新たな職業訓練ローンの仕組みが米国で議論され始めています。

そして,働き手の一人として,私も含めた一人一人が,常に学び続け,新しいことに前向きにチャレンジし続ける働き方を模索する時代になってきていると言うことだと思います。そして,企業や公的機関が新たなキャリア自律としてきちんと下支えする仕組みも不可欠です。

こういった,ビジネスコーチング的な将来予測とビジョン,それがビジネスに与えるインパクトのプランニング,さらにそこから導き出されるワークフォースプランニング,その変革を支えるキャリア自律のありかた。これらを横断的に検討し,統合的に支援できるのはWorldArxの非常にユニークな強みであると考えています。
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