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なぜリーダーが企業文化を腹落ちすることが重要なのか?~組織の「価値観ワークショップ」を実施しました

なぜリーダーが企業文化を腹落ちすることが重要なのか?~組織の「価値観ワークショップ」を実施しました

[更新: 2017年11月08日 / カテゴリ: グローバル組織開発]
弊社が創業したときからお手伝いさせている企業があります。そちらの会社は、激変する市場環境の中にあって非常に優れた製品とサービスを提供しているグローバル企業の日本支社です。リーダーの心構えのあり方や、さらに企業として成長するために何が必要なのか?というリーダシップチームでの話し合いを何度も続けてこられている素晴らしい企業です。

最近、「企業文化を全社に浸透させたいので、ワークショップを企画して欲しい。」あるいは、「従業員エンゲージメントを上げるために、ビジョンをもう一度全員で共有し、日々の行動につなげさせたい」というご相談を頂くことが多くなりました。私がかつて在籍していた会社も、素晴らしい企業文化がそこにあり、そこで働く人達は何よりもその文化に根差した行動を取っていたので、その重要性は非常に良くわかっているつもりです。
企業が大きくなったり、成長の曲がり角を迎えたりする場面では、ビジョンを改めて掲げ、浸透させる必要に迫られます。会社の規模がそれほど大きくなく、日頃顔をつきあわせているような頃は、自分たちが目指している会社像が、創業者や社員の心の中にあって、夜遅くまで働いたときや、飲み会の場面などでそれが言葉として明示的に共有されることが多いのです。しかし、様々な出自や価値観のメンバーが増えたり、会社組織が大きくなったりすると、経営層と現場の間接性が増え、元々会社が目指す姿を明文化して伝える努力をしなくてはならない場面に直面します。それがないと、「そもそもうちの会社は何の会社なのでしょうか?」「会社はお金を儲けるだけで良いのか?」という疑念が現場にわき起こりがちになり、結果的には会社のパフォーマンスに大きな影響が出るようになります。

誤解を怖れずに例えるならば、企業のビジョンは本来、社員にとっての「聖典」のようなものだと言えるかも知れません。特に、これから多様性(D&I=Diversity&Inclusion)を重視し、多様な価値観を競争力の源泉としていくような場合こそ、ビジョンが重要となってきます。何故ならば、組織が多様な人達で構成され、そのままの状態ではチームでまとまって力を発揮することが難しいために、ビジョンという「聖典」のもとにチームをまとめ、成果を出すようにドライブするためには、非常に重要な要素となります。

あるいは、さらに誤解を怖れずに言えば、ビジョンは「聖典」であると同時に「踏み絵」であるとも言えます。会社の入り口のところで、集まってくる人達に、このビジョンに賛同できますか?と問いかけているとも言えるのです。端的に言えば、「このビジョンの元に集まれる人は是非。そうでない人は申し訳ありませんが、ご遠慮下さい」というメッセージにほかならないとも言えます。

ビジョンに基づく経営をしている企業は、悪い意味ではなく「人は元々はそのままではまとまらないものだ」という立場を起点としていると言うことも可能です。だからこそ、人をまとめ、駆り立てるための文章やイメージやストーリーや起業の目的や出自が必要になります。多様な価値観を持つ社員に一つの方向に向かっていってもらうためには、ストーリーを語り継ぎ、組織文化を伝承していく必要があるのです。
お手伝いさせて頂いているこちらの企業では、こういう視点を非常に重要視されており、今回のワークショップでも、
「どのような文化を創り上げていくべきか?」
「我々リーダーの間に、その文化の構成要素に対して、理解のばらつきはないか?」
「この文化を浸透させていくためにどのようなことをどのタイミングで実施していくべきか?」
と言う点を、全員ヘトヘトになりながらも妥協を許さず、真摯な意見を出し合い、より良い文化を創り上げていこうという素晴らしいディスカッションでした。


これからの市場環境と働き方の多様化の中で、今後ますますこういった「企業文化のありかた」が重要になるに違いないという実感を持ちながら、そしてこういうワークショップをお手伝いできたことを心からありがたいことだと思いながら、終わった後の懇親会で皆さんの到着を待つ私なのでした。

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