御社が取り組んでいるのは典型的な「一見グローバル風なグローバル研修」ではありませんか?
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「Global Player2.0 シリーズ」(以下文中では GP2.0) は一般的な英語の研修や、グローバル人材育成の研修とはどこがどのように違うのでしょうか?というお問い合わせを良くいただきますので、ここで典型的なグローバル研修との違いを対比させながらご説明させて頂きましょう。
大変残念ながら、グローバル風に見える研修=「一見グローバル風なグローバル研修」 をやることがグローバル化施策だと捉えている企業が非常に多いように見受けられてなりません。その「一見グローバル風なグローバル研修」の例をいくつか挙げてみます。
●「一見グローバル風なグローバル研修」 ~何が何でもTOEIC修行・攻略型
社員にTOEICの目標点数を決めさせて、ひたすらそれに邁進させるアプローチ。目標点数に到達した社員には会社としてのご褒美を出すようなケースや、あるいは挙げ句の果てに会社がTOEIC攻略セミナーを実施するようなケースすら目にします。仕事にどう役に立てるかという視点を置き去りにしたまま、社員はひたすら、一生懸命ボキャブラリーを増やすために単語を覚え、あの教材が良いと聞けば試し、TOIECの点数に一喜一憂し、ネイティブスピーカと話せることが売りになっている英会話スクールに通い、今度は難しい文法を一生懸命覚え、会社の主催する攻略セミナーに参加して、TOEICの点数で一喜一憂する。いわば、英語修行型と言えるパターンです。もちろん、英語そのものを勉強することは絶対に必要です。しかし、重要なのはグローバルな環境における業務上の課題を解決するのが目的であって、TOEICの点数はその為の手段に過ぎない点が見過ごされている点なのです。
●「一見グローバル風なグローバル研修」~長期語学研修・異文化交流型
グローバル人材育成というからには、やはり語学力だ、それに加えて現地でのやりとり重視だと言うことになり、社員を選抜して長期で語学留学をさせ、外国の文化に触れさせるアプローチ。ホームステイを経験させる例もあるようです。しかし、蓋を開けると、現地ではまったく現地の文化に触れようとせず、朝から晩まで日本人同士ばかりで日本語を話して一緒に過ごし、その語学コースの中で非常に浮いた存在になりながら、じっと帰国の日を待ち、帰国後は会社にレポートを提出して終わりというパターンです。
●「一見グローバル風なグローバル研修」~いきなり海外市場調査型
グローバル人材育成で大事なものは、語学でもなく異文化理解でもなく、へこたれずにビジネスを開拓するグローバルなビジネスセンスとビジネスマインドだ。ちょうど、海外で展開したい製品・サービスがあるから、現地で販売代理店を開拓する活動を研修とくっつけて実施しようと、かなり無理な状況設定で市場調査や市場開拓活動を短期間に行わせるようなパターンです。ずばり、街で英語すら通じるかどうかわからないような国に行かされ、異国の市場をあてどなくさまよい、現地のビジネス習慣に翻弄され、表敬訪問を重ねた挙げ句に、成果を出せずに帰国するという結末です。
かなり極端に描いてきましたが、これらの「一見グローバル風なグローバル研修」には、いくつかの共通点があります。
(1)語学留学、異文化交流、現地ビジネス理解など、グローバルを連想させるものがコンテンツとして据えられている
(2)日常の業務とは全く切り離された「非日常」の要素だけで構成され、
(3)たった1回のイベントや研修で終わり、継続・実践・振り返りの機会がほとんど無い
(4)グローバルな環境におけるビジネス上の課題解決とどのように関係し、どのように寄与するのか不透明
一言で「グローバル人材」といっても、求められる能力は各社異なっているはずです。御社にとっての「活躍するグローバルな社員」とはどんな能力を持ったどんな人でしょうか?また、日常の業務の成果を出す上でどのような課題に直面しているのでしょうか?出すべきビジネス成果とをそれを阻害している要因をきちんと把握すること無く実施する「一見グローバル風なグローバル研修」にどのような効果が期待できるでしょう?我々の提供するアプローチは、グローバルな仕事の場面でどのような課題に直面し、何を改善すれば成果を出す行動につなげられるかという点を、外資系企業向け組織開発分析「グローバルワークプレイスのためのフリクションポイント(協働摩擦ポイント)分析」により、定量的に把握します。これは,グローバルな環境で働くチームが仕事の成果をいかに向上させるかという点にフォーカスし,特に外資系企業の皆様向けに開発された分析ツールです。誤解や行き違いが起こりがちな環境で,お互いがお互いをどのように見ているか。何をお互いに期待しているのか。そういった,仕事で成果を出していく上で障害になる「Friction Point=摩擦ポイント」を可視化・定量化するものです。外資系企業にお勤めの日本人の皆様向けのグローバルな環境における仕事の取り組み方と、英語を母国語とする外国人の方々(上司、上部組織、同僚の皆様)の双方を対象にした分析により,一方的に日本人側が改善に向けた努力をするのではなく,個人,チーム,リーダーそれぞれのレベルで取り組むべきグローバルな観点での課題とそれに対する多面的なソリューションのあり方を特定していきます。こういった問題は、従来は得てして、かつ一方的に、「日本人の英語のスキル」の問題に矮小化されてしまいがちでした。しかし、この問題を単なる日本人の英語力と言った問題で片付けず、これを組織全体のパフォーマンス改善という観点から捉え直すことで、組織全体のパフォーマンスの向上、働きやすい環境、従業員エンゲージメントの向上,リーダーシップスタイルの変革などグローバル組織の組織開発の成果として様々な効果が期待できます。
「グローバル人材育成」というキーワードにおいては、「国際的なビジネスの現場で活躍するグローバル人材」「ビジネスのグローバル化が急速に進む時代を勝ち抜く人材」と言った美辞麗句が並べられて喧伝されていることが多いようです。しかし、我々が考えるグローバル人材とは、決して「海外で」華々しく活躍する「エリート人材」を意味しません。むしろ、日本にいながらも、グローバルコミュニティの中できちんと成果を出す普通の現場の一人一人こそ、本当の意味でのグローバル人材だと我々は考えています。そして、その為に必要なことは、英語を修行のように勉強することでもなく、いきなり現地法人に放り込まれることでもなく、あるいは「『ビジネスのグローバル化が急速に進む時代を勝ち抜くエリート人材』に向けて」というようなキラキラした「カッコいい“グローバル風”研修」でもありません。本当の目的は、英語力は今のままで日本人として日頃発揮している仕事力を英語の世界でも遜色なく発揮させること。つまり、「英語での仕事力を上げる」ことが狙いなのです。GP2.0は目先の華々しさに囚われない、外資系企業にとって重要で、かつもっとたくましい、日本人とネイティブの両方の視点からグローバルな働き方を見通す実践的なアプローチなのです。まさに、"Getting the job done"=「仕事の成果を出す」がGP2.0の目指すところです。
果たして一回の語学研修や、異文化理解研修でどのような効果が期待できるでしょう?我々のアプローチは、PDCAを回すという発想です。Plan(計画)においては、協働摩擦ポイント分析を用いて課題の抽出と解決策をお客様共に検討します。お客様のご要望に応じた形で2日間のワークショップを行いますが、そのワークショップはあくまでもビジネスの成果を出すために必要なスキルを練習し 、その後職場に戻ってからのDo(実行)のためのきっかけに過ぎません。実践を促すために、スタートアップ・ガイドやジャーナルと言った多様な支援ツールをご提供しております。また、我々が最も重視するのがCheck(チェック)とAction(改善)です。実践してうまく行ったところ、うまく行かなかったところ、より困難な状況において成果を出すために気をつけるべき点等について、ワークショップ参加者とファシリテーターが意見交換するフォーラムを運営しています。そのフォーラムにおけるやりとりで、一人一人の実践を定着化させ、さらに学びを確実に成果に結びつけて行きます。
御社に必要なのは、今流行りの「一見グローバル風なグローバル研修」でしょうか?それともビジネス戦略に結び付き、一人一人が成果を出すことを支援するソリューションでしょうか?